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vol.18 心身を整えるための薬膳の入門知識と薬膳レシピ

vol.18 心身を整えるための薬膳の入門知識と薬膳レシピ

本日の言葉

人の顔を美しくする最高の美容術は、笑いである。

 

斎藤茂太(日本の精神科医、随筆家/1916-2006

 

ノナ・ブログライターの寝子(ねこ)です。

 

私たちの身体や肌、髪の毛はとても素直です。 食べたものや与えたものが、必ず見た目に表れます。 例えば、貧血気味の30代女性の髪の毛が切れ毛になり、食事やホームケアを改善することで健康的な髪の毛を手に入れたということも。

 

▼参考記事
『vol.8 女性の4人に1人は貧血気味!貧血で髪の毛が傷みやすくなる!?』

 

だからこそ、本当に必要なものが何かをしっかり選びたいですね。薬やお医者さんに頼るのではなく、自分自身でケアしましょう。そして、10年後も20年後も美しく健康に過ごしていきたいものです。

 

今回は薬膳に関してご紹介します。

 

薬膳レシピもあります!

 

目次

「薬食同源」

冷やす食べ物、温める食べ物、どちらでもない食べ物

体質の分類

症状と取り入れたい食材

薬膳レシピ

 ・薬膳レシピ①:キャベツと豚肉のからし炒め

 ・薬膳レシピ②:いかとキクラゲの炒め物

 ・薬膳レシピ③:キクラゲのナムル

 ・薬膳レシピ④:ニラと玉子のスープ

 ・薬膳レシピ⑤:塩昆布とクコの実薬膳茶

まとめ

 

「薬食同源」

「薬食同源」ということばを知っていますか?

 

薬と食べ物は根っこが同じという考え方です。

 

病気を治療することも日常の食事をすることも、ともに生命を養い健康を保つためには欠かせないもので、源は同じという意味です。古くから中国にある、「体によい食材を日常的に食べて健康を保てば、薬など必要としない」という中国伝統医学(中医学)の基本理論にのっとっています。

 

西洋医学は〇〇科など病状によって細分化されていますが、中医学は1つの症状に対して人の全てを診ます。例えば風邪で熱がある時、西洋医学では解熱剤を処方して終わりますが

中医学では風邪の原因を考えます。身体が冷えて熱が出たのか、身体の中に熱が余って滞って熱が出たのか。

 

中医学・薬膳 = お1人お1人に合わせた考え方です。

 

西洋栄養学では食材で栄養を「補う」ことを重視しています。食料難の時代にはそれでもよかったのですが、現代では栄養過多による肥満や生活習慣病が問題になってきました。

 

1人1品の体質を重視する中医学では、胃腸が弱く栄養吸収しにくい人には消化を助け胃腸の働きを促進する生薬を飲むことや、食材も消化を助けるものを加えて調理します。 また、肥満に対しては、食べる量を減らす以外に、体の中に余っている不要なものを外に排出する食材を選んだりもします。

 

冷やす食べ物、温める食べ物、どちらでもない食べ物

食材にも体を冷やす食べ物、温める食べ物、どちらでもない食べ物3つに分けられます。

(食材を身体の中に摂取したのちに現れる作用のことです)

 

この3つを中医学では「温熱性」、「寒涼性」、「平性」といいます。

 

〇温熱性 = 体を温める食材(唐辛子、ニンニク、生姜、ネギ、鶏肉、スパイス類等)

〇寒涼性 = 体を冷やす食材(昆布、あさり、カニ、レタス、トマト、きゅうり等)

〇平 性 = 温めも冷やしもしない食材(豚肉、イモ、白米、トウモロコシ、大豆等)

 

体質や体調に合わせて3つを意識したバランスの良い食事をしましょう。

調理方法で変化する食材もありますので、食材1つ1つの特性を知ることが薬膳では大切です。生の大根だと身体を冷やしますが、大根の煮物や切干大根だと、それほど身体を冷やさないというように変化したり、茄子は身体を冷やしますが、生姜を添えることで中和させるというように。

 

体質の分類

ご自身の体質を知ることにより食事に取り入れたい食材や、控えたい食材を知ることが大事です。今までの食事でよいのか、改善したほうが良いのかという判断ができると思います。体質は、「足りないタイプの体質」と「余っているタイプの体質」に分けられます。

 

<足りないタイプの体質> 

 気虚 = 気力、元気がたりない

 血虚 = 血のめぐりが悪く滞っている状態

 陰虚 = 潤いが足りない。渇いている

 陽虚 = 温める力が足りない。冷え性

 

<余っているタイプの体質>

 気滞 = 気の巡りが悪く滞っている状態

 瘀血 = 血の巡りが悪く滞っている状態 

 痰湿 = 体に余分な湿気や老廃物がたまっている

 湿熱 = 湿と熱が体に滞っている状態

 

足りないタイプの方は、虚弱体質になりやすく見た目も青白くおとなしいイメージですね。

それに比べ余っているタイプの方は、元気でパワフル、せっかちなイメージでしょうか。

 

皆さんご自分の体質が気になってきましたよね (笑) 。                          

次の項でお伝えする体質よりご自分に当てはまる体質を探して下さいね。

 

1つ1つの体質を掘り下げながら、薬膳のレシピをご紹介します。

 

症状と取り入れたい食材

それでは1つ1つどのような症状があるかと、どの食材を取り入れたらよいかを見ていきましょう

 

<気虚>

・何かをする気力が起きない、少し動くとすぐ疲れる、カゼをひきやすい

・声が小さく、話すのがおっくう

・めまい、息切れ、顔色が悪い(黄・白っぽい)

・下痢になりやすい(水様便あるいは軟便)、昼間自然に汗が出る(自汗)

・動くと症状が悪化し、少し休むと改善する

・舌の色は薄く水分を含んでいる、舌の両サイドに歯形がある

 

【食材】鶏肉・かぼちゃ・シイタケ 等

 

<血虚>

・めまい、たちくらみ(貧血気味)、動悸、目のかすみ

・睡眠が浅く、夢をよく見る

・顔色が悪い(青白い)、皮膚・髪などに色つやがない、爪や唇の色が薄い

・手足のしびれや感覚が麻痺することがある

・舌の色は白っぽく苔がない、もしくは薄い

・ちょっとしたことで不安になる  

 

【食材】人参・レバー・黒きくらげ 等

 

<陰虚>

・肌、目、唇や口の中の乾燥

・手足や顔のほてりやのぼせ、寝汗 ・(胸苦しくて)寝つきが悪い、布団に入ると耳鳴りがする

・便が乾燥している

・舌が乾燥していて赤く、苔が少ない

・短気でイライラしやすい

・やせ気味

 

【食材】クコ・山芋・百合根 等

 

<陽虚>

・寒がりで温かいものを好む

・手足が冷たく、体の芯からも冷える

・尿が多くて透明

・舌の色は薄いピンク色

・低体温気味

・足腰が冷えてだるい

 

【食材】エビ・ニラ・ラム肉 等

 

<気滞>

・お腹が張りやすく、ガスやシャックリが多い

・胸、両脇が張るように痛む(場所は固定していない)

・便秘と下痢を繰り返す

・憂鬱な気分になったり、ちょっとしたことですぐ怒る

・食欲が不安定、ため息をつきやすい

 

【食材】セロリ・大根・陳皮 等

 

<湿熱>

・むくみやすいか、ちょっと太め ・顔が油っぽく、口内炎になりやすい

・身体や頭が重だるい

・口臭や体臭が強め、口が苦い

・便がすっきりと出ない(軟便)

・舌の色は赤く黄色の苔が多くてネバネバしている

 

【食材】昆布・小豆・冬瓜 等

 

<痰湿>

・ぽっちゃり体型で、お腹が出ていて柔らかい

・体や頭が重だるい

・便がすっきりと出ない(軟便)

・尿の出が悪い

・舌は腫れぼったくねばねばした白い苔が厚くついている

・梅雨の時期や湿気の多い天候が苦手

・ひえやむくみ

 

【食材】とうもろこし・空豆・ハトムギ 等

 

<瘀血>

・身体の特定の場所が刺すように痛み、夜に悪化する

・婦人科の疾患がある

・皮膚のくすみ、シミ、ソバカスなどが気になる、唇や爪の色が暗い(紫色っぽい)

・首や肩がこりやすい

・舌の裏側に青い血管が太く浮き出る

 

【食材】いわし・玉ねぎ・チンゲン菜 等

 

いかがですか? 当てはまる症状はありますか?

食材を組み合わせて体質改善していきましょう。

それでは、簡単に作れるレシピを何点かご紹介いたします。

 

薬膳レシピ

薬膳レシピ①: キャベツと豚肉のからし炒め

材料(3人分)

キャベツ  1/3個

豚肉  100g

パプリカ  1/2個

オリーブ油  大さじ1

しょうゆ  大さじ1

練からし(チューブ)  1.5〜2cm

 

作り方

1.キャベツはよく洗い、水に30分ほど浸けて水気を切り、3〜4cm角に切る

2.豚肉を小口切りにする

3.大きめのボウルにしょうゆと練からしを混ぜておく

4.深めのフライパンにオリーブ油を入れ、キャベツを入れて炒める。少ししんなりしたら端に寄せ、豚肉を加えて炒める

5.調味料を入れたボウルに移して混ぜ合わせる

 

 

薬膳レシピ②: いかとキクラゲの炒め物

材料(2〜3人分)

冷凍いか  300g

乾燥きくらげ  15g

パプリカ  1個

ヤングコーン  6本

ミックスビーンズ  大さじ4

ハーブソルト  小さじ3

レモンペースト  適量

水溶き片栗粉  大さじ1

しょうが  少々

 

作り方

1.冷凍いかは解凍して日本酒を振りかける

2.パプリカ、ヤングコーンは一口大にカット。しょうがは千切りに。きくらげは水につけてもどしておきます

3.フライパンに油を入れ、しょうがを炒めます

4.続けてヤングコーンを炒めます

5.いかを入れます

6.続けてパプリカを入れます

7.きくらげを入れます

8.ミックスビーンズを入れます

9.ハーブソルトとレモンペーストを入れて炒め、水溶き片栗粉で仕上げます

 

 

薬膳レシピ③: キクラゲのナムル

材料(2人分)

乾燥きくらげ  15g

シーチキン  1缶

醤油  小さじ4

みりん  小さじ4

ごま油  大さじ1

黒すりごま  大さじ2

ラー油  お好みで

 

作り方

1.きくらげは水で戻して、ザルにあげ、水気をきり、食べやすい大きさに切っておく

2.耐熱皿にきくらげとシーチキン(油は入れない)、調味料を全部入れて混ぜ合わせる

3.ラッブをせずに、レンジで1分30秒(500w)あたためる

4.黒ごまとラー油を入れてかき混ぜたら出来上がり

 

 

薬膳レシピ④: ニラと玉子のスープ

材料(2人分)

ニラ  10本

卵  1~2個

鶏ガラスープの素  大さじ1/2

中華味  小さじ1/2

豆腐  60g

片栗粉  大さじ1/2

水  大さじ1

水  400cc

薄口醤油  小さじ1/2

 

作り方

1.ニラは2cmに切りボールに入れる。卵も割り入れ、中華味も加えよく混ぜ合わせておく

2.片栗粉を水大さじ1で溶かしておく。お湯を沸かし、鶏ガラスープの素を溶かし、豆腐を握り潰しなから加える

3.水溶き片栗で少しとろみをつけ、ニラと卵を回し入れお箸でほぐす。20数えて火を止め醤油を加え、蓋をして出来上がり

 

 

薬膳レシピ⑤:塩昆布とクコの実薬膳茶

材料(湯呑み1杯分)

塩昆布 1つまみ

クコの実(ゴジベリー) 3~5粒くらい

お湯 飲みたい量

 

作り方

1.カップに、塩昆布とクコの実を入れる

2.お湯を注いで完了!

  少しおくと、クコの実が柔らかくなり、食べやすくなります。

 

まとめ

薬膳は食事による養生法であり、漢方の理論に基づいて、体質や体調に応じた食材を組み合わせた料理を食べることで、自然治癒力を高める効果があります。

 

美しく、健康を目指しましょう!