本日の言葉
心は気を率い、気は血を率い、血は身体を率いる
幸田露伴(明治の文豪)
ノナ・ブログライターのhiroです。
最近、「貧血」に関して勉強しています。
数か月前に、nonaシャンプーを長年取り扱っている美容室の美容師さんから、切れ毛の髪の毛が1年できれいになった事例を紹介してもらいました。なんと、そこには「貧血」が関わっていて、貧血の改善やシャンプー改善などで健康的な髪の毛が生えてきたという、大変興味深いものだったんですね。
★「貧血と髪の毛」の事例(30代女性)
▼参考記事
『NO.2 【事例】貧血で切れ毛の方にnonaヘアソープで驚きの8か月後!』
貧血は女性に多いといわれています。4人に1人以上ともいわれ、自覚していない方も相当数いるようです。
では、貧血と髪の毛。
どのような関係があるのでしょうか?
今回は、貧血について書いてみようと思います。
目次
・貧血とは
・鉄不足
・まとめ
貧血とは
「貧血」のイメージというと、「鉄不足」だったり、「レバーを食べよう」だったりしますよね。
貧血とは…
「血液の一定量に対して赤血球やヘモグロビンが少ない状態のこと」だそうです。
赤血球?
ヘモグロビン?
ちょっと難しくなってきました。
血液中にある赤血球というものはヘモグロビンというタンパク質を含んでいます。そして、このヘモグロビンは鉄を含みます。この鉄が酸素を引き連れて身体中の隅々まで運んでくれるわけです。
人は酸素がないと生きていけませんよね。酸素を吸って身体中の細胞に届けてあげる必要があります。届ける手段が血液です。その中で運び屋となってくれているのがヘモグロビンというわけです。
わかりやすいように「引っ越し」を例にしてみます。
家具(酸素)を運ぶ業者のスタッフ(鉄)がチーム(ヘモグロビン)で、トラック(赤血球)に乗って目的地(細胞)まで道路(血管)を走って届ける。スタッフ(鉄)が足りないとチーム(へモグロビン)も作れないので、家具(酸素)を運ぶことが難しくなります。
鉄が不足するとヘモグロビンが合成できなくなります。これを「鉄欠乏性貧血」といいます。上の例に当てはめるなら、「人材不足」ということでしょうか。
貧血になる原因
貧血になる原因としてはいくつかあります。
・過剰な出血
女性は月経や出産などで出血します。この他にも、外傷、消化器官、潰瘍などによる出血も要因になってきます。
・赤血球の材料が不足
鉄が不足するとヘモグロビンが合成できなくなります(鉄欠乏性貧血)
・その他病気
血を作る機能の病気や赤血球を破壊する病気などがあります。
鉄不足
女性に鉄不足が多いといわれています。なぜなのでしょうか?
女性は月経での出血や出産での出血により大量の鉄分が失われます。それに対して不足分を補ってあげないといけないのですが、食事からの鉄の摂取が足りていないことが多いみたいです。
体内にある鉄の約70%はヘモグロビンとして血液中にあり、残りは肝臓などに貯蔵されています。鉄が足りなくなると、その貯蔵している分から供給していきます。それでも足りなくなることが問題なんですね。
鉄不足になるとこのような症状が出ます。
・頭痛
・食欲不振
・抜け毛
・肌荒れ
・爪が割れやすくなる
・動悸、めまい など
こういった症状が出て、貧血気味であると自覚している方も多いのではないでしょうか。
食品に含まれる鉄
厚生労働省によると、成人男性は1日に1mg鉄がなくなり、女性は0.8mgなくなります。
この損失した鉄を食事で補わないといけないのですが、食事から取れる鉄には2種類(ヘム鉄と非ヘム鉄)あります。そして、すべての鉄が吸収されるわけではなく、鉄の種類によって吸収する率が異なります。
① ヘム鉄(動物性)
ヘム鉄は肉や魚に含まれます。鉄の吸収率は20-30%程度のようです。
(レバー、かつお、まぐろ、めざしなど)
② 非ヘム鉄(植物性)
野菜や穀類に含まれます。鉄の吸収率は5%程度のようです。
(豆乳、納豆、大豆、小松菜、ほうれん草、春菊、ひじきなど)
よく「貧血にはレバー」と言われているのは、レバーに入っている鉄の量が多いということと鉄の吸収率が非ヘム鉄より高いためです。
豚のレバー50gで6.5mgほど鉄が入っています。吸収率を20%とした場合、1.3mg吸収されるということになります。食材の組み合わせなどにより、吸収する量に上下はあります。
貧血と髪の毛
では、貧血が髪の毛にどのような影響を与えるのでしょうか?
貧血気味になると、酸素を運ぶ鉄分が少なくなるため、十分な酸素が細胞に行き渡らなくなります。
髪の毛が生えている大本の細胞である毛母細胞(もうぼさいぼう)には、毛細血管から酸素や栄養分が供給されます。十分な酸素が届かないということは、毛母細胞が酸欠状態になるため健康的な髪が生えにくくなります。そういった髪の毛は弱々しく外部からの刺激にも弱くなります。
このような状態で、カラーやパーマなど強い刺激を与え続けると、結果的に髪の毛が傷みやすくチリチリになったり、なんてことも。
こういった身体の仕組みを見ていくと、シンプルだなと思うんです。貧血に限らず、食生活が乱れると十分な栄養が細胞に行き届かなくなるため、結果的に健康的な髪が生えてこない。ということは、まずは十分な酸素や栄養を細胞にしっかり届けられるような生活習慣を心掛ければいいということになります。
「貧血と髪の毛」の事例を紹介して下さった美容師さんによると、お客様に以下を試してもらったそうです。
① バランスの取れた食生活で鉄分補給
② 生活習慣の見直し(睡眠時間の見直しなど)
③ 頭皮環境を良くするためのシャンプー選び
半年から1年と時間はかかりましたが、お客様の生活習慣の見直しと身体の持つ力で髪質が変わってきました。とても素敵な事例だと思います。
貧血予防には日々の栄養バランス
貧血予防にはバランスの取れた食生活が大事です。偏った食生活やダイエットによる過度な食事制限などは避けた方がいいですね。
このような栄養素が貧血予防にはオススメのようです。
・鉄分
酸素を全身に運ぶ働きがあります。
・タンパク質、ビタミンC、カルシウム
鉄の吸収に役立ちます。ビタミンCは非ヘム鉄の吸収率をアップさせます。
・ビタミンB12、葉酸
血を作ることを助けます。
・マグネシウム
代謝を行う酵素の働きをサポートします。
まずは食生活を見直しバランスの取れた食事を心掛けてはいかがでしょうか。それでも鉄分が不足気味になるようでしたら、上記のような栄養素を意識的に取ってみる。無理なく、ストレスにならないようにできるところから見直していくことが、予防の第一歩だと思います。
まとめ
美容師さんに「お客様で貧血の方って多いですか?」と尋ねると、大抵は「お客様とそういう話をしたことがないので、よくわからないな」という答えが返ってきます。美容師さんもお客様も、貧血と髪の毛の関係を考える機会がほとんどないんですね。シャンプーを提供している我々も、貧血と髪の毛の関係性を考えたことがありませんでした。
この「貧血と髪の毛」の事例で改めて日々の生活習慣の大切さを実感しました。健康でいるためには食事、睡眠、心のケア、運動などは必要です。それは健康的な髪の毛を生やすことも同じなんですよね。
▼参考記事
最近、「髪質改善」という言葉をあちらこちらで見かけます。美容室によっても「髪質改善」の意味合いが異なります。
本当の髪質改善って何なのでしょうか? 傷んだ髪をキレイにすること? もともとの髪質を変化させること? 疑問に思っている方も多いと思います。
実は答えはシンプルなのではないかと思っています。まずは、健康的な髪を生やすために日々の生活習慣でどこを見直し何をすればいいかを考えること。ここがスタートラインなのではないかと思います。今後もこういった内容で、少しでもお役に立てる情報があれば発信していければと思っています。