「美」とはその人らしさ。人が決めるのもあると思うんですけど、やっぱり自分が決めるものだと思っています。

－美容師として「美」とは何でしょうか？

「美」とはその人らしさ。人が決めるのもあると思うんですけど、やっぱり自分が決めるものだと思っています。いくら美しい人のまねをしても、みんな綺麗だと思っています。全ての方がその人の良さがあると思うので。そこを引き出せたらなと思って仕事をしています。

－美容師として日々どのような思いでお仕事していますか？

最近心掛けているのは「楽しく仕事をする」（笑）。スタッフがいる状態っていうのは自分も流されやすくなるんですよね。誰かスタッフが調子悪い、機嫌が悪いと、お店の中に伝染するので。今は一人でやっているので常に自分を強く持たないとホントにもうどこまでも落ちていってしまう。楽しく仕事をしていればお客様に伝わるのかなと思っています。自分がつらくなったら、なんでこの仕事をしているかっていうところまで戻ります。

－なぜ美容師をやりたいと強く思ったのですか？

一番は高校生のときに、とある美容室にカットに行って髪を切ったんですけど、それがすごく良くて衝撃的だったんですよ。今まで切ったことのないようなカットをしてもらって。「髪を切るだけでこんなに気分が変わるんだ」、「こういう風になりたい」ってそのときに初めて思って。さっきの話に戻るんですけど、うちの横の美容室におばあちゃんの美容師さんがいらっしゃって。いつまでもできる仕事なんだっていうのがきっかけで、なんとなく美容師になりたいなと思っていたんです。昔はすごく思いが強いわけではないんですが（笑）、まあ国家資格だからという感じでやってきて。やればやるほどハマっていったというか。やりだしていくうちに楽しくなってきたというか（笑）。

－美容師として一番大事にしていることは何ですか？

一番は、お客様の気持ちですかね。髪もしかりなんですけども、なんていうんだろうな、何かを思って美容室に来てる方が多いので。そこを汲み取ってあげたいっていう気持ちと、最後には笑顔になって帰って頂きたい。その人が癒しを求めて来ているのか、髪をすごくきれいにして何か用事があるのか。なかなか難しいんですけど、その時間でお客様の気持ちが上がるようにと、そこを一番気をつけています。絶対嫌なことを言ったりとかしないように（笑）。仕事量が多かったりするとなかなかそこは難しかったりするので、うちのサロンはちょっと間を空けて、時間を取って、自分も余裕を持つように仕事しています。

－お客様のちょっとした変化に気づける「センス」を磨くために心掛けていることはありますか？

昔は美術館とか好きだったんですけど、このコロナ禍で行くことが難しいので散歩をしたときに写真を撮るようにしています。構図の勉強にもなります。同じ道でも季節によって花が違っていたり、移ろうところが見えたりしますよね。